元丸屋としまして確かなものをご紹介したいと考えました。自分で選んだものである事です。そして探しましたら、伝統工芸士の作者名入でした。その作者が、藤村 志登磨さんです。その藤村さんが、「現代の名工」に選ばれました。

 平成19年10月30日厚生労働省は、本年度の「現代の名工」150人を発表しました。本県からの木材製品処理工の藤村 志登磨さん(73歳)=仙北市=が選ばれました。今のところ価格の変更は無い様です。先の事は、解りませんのでお早めのご注文を御勧め致します。

「現代の名工」とは…

厚生労働省から贈られるもので、次の様に記されています。
「現代の名工」は、卓越した技能を持ち、その道で第一人者と目されている技能者を表彰するものであり、昭和42年の創設以来、技能者の地位及び技能水準 の向上を図るとともに、技能の世界で活躍する職人や、技能の世界を志す若者に 目標を示し、夢と希望を与えてきた。
 なお、表彰式では、厚生労働大臣から表彰状、卓越技能章(楯と徽章)及び褒 賞金(10万円)が授与される。

樺細工って…

 山桜を樺とした使用例は、万葉集以後早くも平安中期紫式部が著した「源氏物語 幻」の一節「外の花は、一重散りて、八重桜咲く花盛り過ぎて、樺桜は開け、・・・。」に見られます。このようなことを考えあわせて樺という字には山桜の意味が包含されており、この皮を原材料にして作った工芸品が樺細工です。

 樺細工の工芸品は正倉院御物にもみられ又古文献や万葉集、源氏物語の中にもみることが出来る様です。古くは筆・弓・刀のサヤ等に使用されています。湿気をさけ乾燥を防ぐ特質は、茶入・喫煙具には特に喜ばれております。樺細工は、日本の気候・文化から生まれた民芸を代表するすぐれた工芸品です。

昭和には、茶筒が人気になり映画やテレビの茶の間の小道具としてよく登場しました。

 秋田の樺細工は約200年前の江戸時代中期(1781年〜1788年)、天明の頃、角館城主佐竹候のもとに下級武士の手内職として生れ、今日に受け継がれてるというのが定説です。この樺細工も角館が今ではメッカですが、木工品産業が秋田の主幹産業としていた時代には大館等角館以外でもつくっていたそうです。

 この樺細工は、師匠によってその作り方が一様ではない事です。職人さんの師匠さんの作り方を伝承している所が興味深い所です。職人さんに作り方をお伺いしてびっくりしました。例えば、筒をつくるのも内側からの人もいれば反対からというのもあるそうです。どうもこの作り方にしましても自分流という武士的ニュアンスを感じるのは私だけではないでしょう。

 価格は、千円台のブリキ板に山桜の皮を巻いたものから、十万円を超える品評会受賞作品まで幅が広い価格帯があります。そこで、元丸屋としましては伝統工芸品の基準以上の仕上がりながらより購入し易い善いものを選びご紹介して居ります。


元丸屋でお勧めしている樺細工
伝統工芸士:藤村 志登磨さんの名前付き
c80900総皮茶筒(横張)無地 c80910総皮茶筒(立張)ミガキ c80919総皮茶筒タテ張チラシ

日本ならではの木工文化の一品です。使い込むに従って艶がのってきます。嗜好品のアイテムにふさわしい一品です。そして、c80846総皮抹茶入は、お弟子さんの作品です。



張合わす匠の技 樺細工
樺細工の話
茶筒の仕込みの様子